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[あいちアール・ブリュット Portal Site]障害のある人のアート情報

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会場レポートvol.3 あいちアール・ブリュット×愛Wishプロジェクト LOVE&PEACE2017

2017年10月4日

  • レポート

舞台・ステージ発表が充実した今年のあいちアール・ブリュット障害者アーツ展。9月15日(金)の夕方には、スペシャルステージ「あいちアール・ブリュット×愛Wishプロジェクト LOVE&PEACE2017」を公演しました。

このプログラムは2部構成。
1部は、リオパラリンピック閉会式で世界中を魅了した義足のダンサー大前光市さんはじめ、サクソフォンプレイヤーの山崎貴大さんが率いるジャズバンド、声楽家の篠田弘美さんと、出演する皆さんのソロステージです。
まず最初は、愛Wishプロジェクトメンバーによる息の合ったダンスパフォーマンス。

(愛Wishプロジェクトメンバー)

続いて、山崎貴大さん率いるQuartetライブは、メロディアスなアドリブを交えた圧倒的な音圧とリズム感の演奏で、ジャズの雰囲気あふれる世界観を展開しました。

第2部のフィナーレに備えた手話ダンスレクチャーの後は、大前光市さんのソロダンス!大前さんにしかできない、しなやかな動きと感性あふれる表現力を兼ね備えた唯一無二のダンスに会場は息を呑み、見入っていました。

2部は、皆さんで一つの舞台を演じるコラボレーションパフォーマンスです。愛Wishプロジェクトプロジェクトメンバーが、詞「生きる」を朗読。「幸せって何?」と手話を交えて客席に問いかけます。

続いて声楽家の篠田弘美さんが、岐阜民謡「げんげんばらばら」をしっとりと美しく歌い、神秘的な雰囲気へと誘いました。

「死んだ男が残したものは」は、メッセージ性が強く、雄弁に語りかけてきます。

そして、「Didn’t It Rain!~犬のおまわりさん」では、ついに、あいちアール・ブリュット出前講座を実施した施設チームの『Hoppers』『スマイルステップ』の皆さんの登場!
出前講座実施当初は、どんどんテンポが早くなっていく曲についてくだけで精一杯でしたが、本番ではノリノリに踊り、体全体をつかってダンスをする楽しさを表現!
演奏は山崎さん達による生バンドという贅沢な空間で、客席の皆さんも第1部で練習した手話で「い、ぬ、の~おまわりさん♪」と一緒に歌い・踊ります。
ラストは舞台上のみんなでハイタッチ。最後までやりきった達成感をこめるように、はじける笑顔で誰彼関係なく手をたたきあいます。みんなの思いがひとつになった感動のフィナーレでした!

(左:大前光市さんも一緒に全員でフィナーレ、右:山崎貴大Quartet)

当初は、なんとなくミスターとの距離が感じられた施設利用者さんたちですが、舞台終演後はミスターの名前を何度も呼び「楽しかった!またやりたい!!」とミスターから離れず、からだいっぱい言葉いっぱいでその喜びを伝える様子には、胸がじんとしました。

(最後にみんなで記念撮影)

障害のある方もない方も、分け隔てなく精一杯踊ったステージに、ミスターは「大輪の笑顔の花が咲きました」と言ってくれました。ダンスを楽しむことに障害の有無は関係ない。改めてそう実感した感極まるステージでした。